中古車販売店の自社ローンの大まかな仕組みについて解説!
近年「自社ローン」を導入する自動車販売店が増えています。よく聞く言葉ですが詳しい仕組みについてはよく知らないという方も多いのではないでしょうか。自社ローンはほかのローンとは異なる仕組みで、ほかのローンにはない特徴やメリットがあります。それらを理解して、自分に合っているか検討してみましょう。
中古車販売店の自社ローンの大まかな仕組み
自社ローンは、自動車販売店がそれぞれ独自に提供しているローンサービスです。銀行やディーラーなどが提供している一般的な自動車ローンのように「お金を借りて支払う」というものではなく「(販売店が)購入費用を立て替えてくれて分割で返済する」といった仕組みになります。審査基準は自動車販売店独自のものであり、信販会社を通すことはありません。そのため、過去の金融問題や借入状況などで通常のローンが組めなかった方でも審査に通る可能性があります。
自社ローンを利用するメリット・デメリット
次に、自社ローンを利用するメリット・デメリットをみていきましょう。
メリット
自社ローンの最大のメリットは、やはり「審査に通りやすい」ということでしょう。先述のように、自社ローンでは販売店ごとに独自の審査基準を設けており、ほかの銀行やディーラーほど厳しくないことがほとんどです。信販会社を通さないので、過去に支払いの延滞などがありローンは難しいと思っている方や、すでに住宅ローンやほかの借入がある方でも審査に通ることは充分に考えられます。自社ローンでは今後の返済能力が重視されるので、安定した収入があればアルバイトの方でも、雇用状態に関係なく審査を通過することも可能です。信販会社を通さないことで審査までの時間や手間があまりかからず、手続きもスピーディに進められるため、短期間で自動車が購入できるでしょう。場合によっては、即日納車ということもあります。
また、自社ローンの多くは「金利0%」ということも大きなメリットでしょう。自動車の購入費用は高額のため、利率によって総支払額は大きく変わります。一般的な自動車ローンでは3~7%程度の金利がつくことが多いため、自社ローンとの金額の差は強く感じられるでしょう。
デメリット
さまざまなメリットがある自社ローンですが、もちろんデメリットも存在します。自社ローンの多くは、保証人を必要とします。自動車販売店は、自動車の購入費用を立て替えるわけですから、万が一利用者が支払えなくなった場合に備えてのことでしょう。保証人は誰でもいいわけではなく、身内・親族のみとする販売店も少なくありません。自社ローンは金利がかからない反面、保証料や頭金がかかる場合もあります。金額は販売店によって異なりますが、決まった金額か、購入金額の10%程度と設定されていることもあります。どちらでもある程度まとまった初期費用が必要となるでしょう。
また、金利相当分として車両本体の価格に上乗せされ、相場よりも高めの販売価格になっている可能性もあります。事前に付近の店舗やインターネットなどで相場を調べておくとよいでしょう。自動車販売店側のリスクを軽減するという考えから、自社ローンが利用できる車種が限られていることも多く、外車などの高額な自動車には自社ローンが適用されない可能性もあるので注意が必要です。
自動車販売店が自動車の購入費用を立て替えるというのは自社ローンの特徴なのですが、返済をしている間は自動車の所有者は販売店側になります。返済が完了して初めて購入者が所有者となるので、その間は自由に売ることもできません。もしも延滞が続く、返済が継続できないということになれば、所有者である販売店が車を引き上げてしまう場合もあります。その場合は、購入当初の状態での返却が求められるので、傷や故障があるときは修理する必要があります。
自社ローンの利用はどんな人におすすめ?
自社ローンの特徴やメリットを考えると、現在は返済する能力があるけど過去の信用情報に問題がある人やアルバイトなど雇用状態に不安がある人には、自社ローンの利用が向いているでしょう。一般的な自動車ローンよりも比較的審査基準が厳しくないため、審査に通る可能性が高くなるでしょう。
また、先述のように自社ローンは自動車販売店が審査も行うため、納車までの期間が短く手続きもスピーディに進めることができます。なんらかの事情により早めの納車が必要な人にもおすすめです。自社ローンのデメリットの部分を考慮しても、通常の自動車ローンを利用するより総支払額が少ないという人は自社ローンを選んでもいいと思いますが、実際にはそのようなケースはあまり多くありません。
まとめ
自社ローンは、一般的な自動車ローンとは異なる仕組みになっています。さまざまな魅力的なメリットがある反面、当然ながらデメリットもあります。両方をよく考慮し、自分に合っている方法を選びましょう。どのような自動車ローンを利用するにしても、無理のない返済計画を立てることがもっとも重要なことでしょう。